サカイのイチ推し

開発マーケティングディレクター坂井敏秀がおとどけするシャツスタイルコラム。

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Vol. 09

迷った時の救世主、シャンブレーシャツ。

  • 2020年1月16日

第9回は、男女問わず誰からも愛される永遠の定番素材“シャンブレーシャツ”をピックアップ。

カジュアルも含め、皆さん一度は袖を通した事がある素材、もしくは若い頃は良く着たなぁという方も多いのではないでしょうか?

出自がワークウェアであるシャンブレーは、とにかく丈夫で着込むほどに経年劣化を味わえる素材です。
その丈夫さから海軍(US NAVY)のユニフォームや囚人服としても採用され、映画のスクリーンにも頻繁に登場します。
街着としてはフラワームーブメント全盛の1960年代後半から70年代にはベルボトム(フレア)のジーンズに、80年代はフレンチトラッド人気でタータンチェックやペインターパンツ、90年代は渋カジに代表される2タックのチノパンツ、その後はイタリアっぽいボトムスにと、オックスフォードと並び、時代と共に相棒を変えながら生き延びてきた最も汎用性の高いシャツファブリックと言えるでしょう。シャツの着こなしに迷った時、取りあえずシャンブレーという話は良く聞きますし…

何が違う?「シャンブレー」と「ダンガリー」。

ワークシャツの話題でよく耳にする「シャンブレー」は英語表記では「chambray」。
フランス北部のカンブレー(Cambray)と呼ばれる都市が発祥とされ、誕生した16世紀当時はリネン100%(麻=亜麻)で織られていたようですが、その後コットンに切り替わって今に至っています。お馴染みのデニムも実はフランス発祥の綾織り生地なので、きっと両者には深いつながりがあるのでしょう。
(デニムはアメリカ生まれだと思っている人、たぶん多いと思います)
タテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸(晒し糸)で平織りした織物全般を指しますが、色糸と白糸が組み合わさることで霜降り調に見えるのが一番の特徴です。
今回ご紹介するシャンブレーはカジュアル向きのやや粗野なタイプ。
中番手(30~40番手)の比較的薄め、いわゆるワークシャツ系のくくりです。
主にコットン100%で織られることが多いシャンブレー生地ですが、リネン(麻)やウールを混紡したものまで様々なシャンブレーが存在します。
ダンガリーと混同されがちですが、ダンガリーは糸の使い方が逆でタテ糸に白糸、ヨコ糸に色糸(インディゴ染めも含む)というのが基本です。
もともとダンガリーは綾織り(ツイル)でしたが、最近では厚めのシャンブレー素材をダンガリーという位置付けで扱われている事も多いです。

 

知っておきたい、シャンブレーシャツ選びのポイント

私も過去数々のシャンブレーシャツを所有してきましたが、いまでも高校生の頃に愛用していたものを大事に保管しています。
衿とかボロボロなんですが、着倒したインディゴのシャンブレーには何とも言えない味わいがあるのでリメイクしてでも着続けたいと思っています。

愛用のシャンブレーには味わいがでる。

 

最近まで店頭ではイタリア人が好みそうな艶のあるシャンブレーシャツが人気でした。特にジャケットと相性のいいカッタウェイワイドのシャンブレーはあらゆるメンズストアで扱っていたほどです。
ここにきて原点回帰の流れもあり、全般的に昔のワークウェアタイプをアップデートした提案が増えていますね。

具体的にはネクタイ着用を前提としない小振りなサイズ感の衿や、ウエストをギュッと絞り過ぎない若干ゆとりのあるシルエット。
そしてタックアウト(裾出し)が様になる絶妙な着丈など、ディテールよりも全体のシルエットが大事なポイントとなります。
このあたりはドレスクロージングにおけるシルエット傾向とは少し異なり、スリム化ではなくリラックス化といえるものです。
ファッションですから、シルエットのスリム化が一巡すると逆にワイドに振れるのは自然な流れなのかもしれません。

とにかくこれからのシャンブレーシャツ選びは、ドレスシャツに比べてややフィット感のゆるいタイプを選んだ方が使えそうです。

特にタックアウト(裾出し)を想定したプルオーバー(かぶり式)は、暖かくなるシーズンに向けて久々に復活、要注目のアイテムです。
一番目立つフロントの前立て部がハーフプラケット(半前立て)の為、ポロシャツ風の見映えが手っ取り早くカジュアルなムードを出してくれるのでシャツ1枚でも十分な存在感が出ます。
かぶりが苦手な方も、ややゆとりのあるシルエットなら脱ぎ着も楽なのでおススメしたいところです。

それではデイリーで使えるボトムスで幾つか組み合わせご紹介します。

■シャンブレー×デニム
同じ系統の素材なので相性はバッチリですが、大人の方向けには色落ちの激しくないリジット系デニムや、スニーカーではなくスェードの革靴等を組み合わせる事でジャケットを羽織っても崩れすぎないスタイリングがキープできます。今回は同じブルー系ウールのストライプジレを合わせてカジュアルアップのイメージです。

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■シャンブレー×チノパンツ
これも鉄板の組み合わせですが、敢えてパンツのシルエットをワイド系にする事でワークパンツ風の無造作感を狙っています。
一番上のボタンを留め、少しモードっぽい雰囲気にすると少し雰囲気も変わります。

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■シャンブレー×トラウザーズタイプ
グレーのドレス系トラウザーズとも合いますが、この場合も靴をスェードにするとソフトな雰囲気に仕上がります。
元気なイエローとシャーベットブルーを合わせた80年代フレンチアイビーの再現コーディネイト。もちろん、人気が定着したスリム系のパンツにも合うので御心配なく

 

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■シャンブレー×カーゴパンツ
俗に言う軍パンにはプルオーバーだとお腹周りがスッキリ見えます。シャツの着方も無造作な感じで腕まくりしたり、ショート丈のブルゾンを羽織るのもいいですね。

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